個人で海外サイトから商品を通販で購入したり、海外へ商品を発送することが可能ですが、各国の法律や条例によって輸送することができない品物があることをご存じでしょうか?
この「法律や条例によって輸送することのできない品物」のことを「禁制品」と言います。
国際宅急便や国際郵便などで海外に品物を発送する際は、事前に調べておかないと相手に品物が届かない・品物が返送される・廃棄されてしまうといったことが起きてしまいます。
この記事では、禁制品についてご紹介いたします。
目次
全地域に該当する禁制品の一覧
日本から海外へ発送する際の禁制品は、輸送する航空機や船、車などに危険が及ぶ可能性のある可燃物や、毒物・腐食性物質、医薬品、ワシントン条約などで輸出入が規制されているもの、貴金属、クレジットカード、金券、コンサートチケットなどさまざまなものがあります。
代表的な禁制品は以下になりますが、記載されていない品物でも禁制品扱いになってしまうことがあるため、心配な場合は利用する輸送会社や税関などで事前に確認しておきましょう。
危険物(航空機等の搭載に支障をきたすものなど)
マッチ・炭・灯油・石油ファンヒーター・オイルライター・ジッポライター・ライター用の燃料・アルコール・ラッカー(塗料)・シンナー・ニス・光沢剤・香水・エッセンシャルオイル・マニキュア・接着剤・膠(にかわ)・セメント・ゴムのり・発毛・育毛剤・テンポドロップ・香水・お香・磁石・工業用オイル・はさみ・カッター・包丁など
火薬類・高圧ガス
弾薬・クラッカー・花火・ヒューズ・雷管・起爆剤・スプレー缶・キャンプ用ガスコンロ・カセットコンロ用のガス・ライター用補充ガス・消火器・ダイビング用ボンベ・携帯用濃縮酸素・除塵スプレー・フロンガス・車用のサスペンション・ガスヒーター など
酸化性物質・毒物類・放射性物質・腐食性物質
ヘアカラー・漂白剤・酸素発生機・過酸化剤・クロロホルム・農薬・加熱式の殺虫剤 ・プルトニウム・ウラン・トリウム・セシウム・放射性廃棄物(施設から)・水銀・液体バッテリー など
電池・リチウム電池・リチウム電池を使用した製品
時計・PC・タブレット端末・スマートフォン・携帯電話・ゲーム機・ビデオカメラ・デジカメ・モバイルバッテリー・携帯音楽プレイヤー・炊飯器・おもちゃ・計算機・電子辞書・懐中電灯など
※リチウム電池を使用している品物は、電池が付属していなくても取り扱い不可。
動植物関係
プリザーブドフラワー、切り花(しめ縄や正月用のお飾りなどを含む)、種、土、盆栽、生きた動物、魚、昆虫、血液などの検体、ウサギ、狐などの毛皮、アロエや松脂、べっ甲、皮革製品、象牙などワシントン条約に抵触するもの・農業用の種子・未加工の植物材木・土肥料・家畜の餌など
※ワシントン条約についてはこちらのページをご覧ください。
麻薬・医療器具・医薬部外品・医薬品
向精神薬・麻薬など
食品
酒類(みりんや料理酒含む)・生菓子などの温度管理が必要なものや腐りやすい商品・野菜・果物などの生鮮食品・肉製品(肉類のエキスを含むため、インスタントラーメンやレトルトカレー、カレーパウダーなども含む)・未加工の豆類・ビタミン剤やサプリメントなどの健康食品・乳製品・小麦粉・コーヒー豆など植物防疫法に抵触する可能性のあるもの
その他
磁石・エンジン・アスベスト・冷媒・ドライアイス・ポルノなどわいせつな物品・エアガン・模造刀など武器の模造品・消臭剤・富くじ・農業用品・金・銀・プラチナなどの貴金属・真珠・宝石類(加工・原石問わず)・コピーディスク・偽造、変造、模造通貨・郵便切手及び収入印紙・クレジットカード・コンサートチケット・金券・有価証券・国宝や重要な文化財及び美術品・文書・航空券・原産地誤認貨物など
禁制品となる可能性が高い商品
国際便で取り扱い不可になっていることの多いカイロですが、使い捨てカイロの場合は販売業者によって輸送可能な場合があります。
国際郵便が使用可能な使い捨てカイロ販売業者は、日本郵便のHPで一覧が公開されています。
日本郵便局:国際郵便による郵送が可能な使いすてカイロを販売する事業者一覧
国別の禁制品が載っているサイト
国別の禁制品に関しては、各国の宗教上の理由や法律によって定められています。国別の禁制品に関しては、日本郵便局や輸入代行会社、ヤマト運輸などの輸送会社のHPに記載されているので梱包前にこちらもチェックしておきましょう。
事前申告をすることで発送可能な品物
日本から他国へ食料品を発送する場合は、受取先の国の税関で承認されなければいけません。アメリカ・カナダはFDA(食品医薬品局)に事前に申請し、承認されないと商品を受け取ることができません。
また化粧品はワシントン条約に抵触する成分や危険物に含まれる成分(アルコール、エタノール、オイルなど)が含まれていないかを確認する必要があるため、日本語での成分表などが必要になる場合があります。
さらに医薬品やサプリメントに関しては近年通関審査が特に厳しくなっており、市販のものでも処方箋の提出が必要になるケースも。医薬品やサプリメントは通関の許可が下りにくいことが多いので注意しましょう。
よく購入されてしまう禁制品
転送の際禁制品と知らずに購入され、送られてしまうものがあります。
以下がその1例です。もし該当の商品が入っている場合、配送会社で荷物を受け入れてもらえないので注意しましょう!
まとめ
海外へ商品を発送する際は、受取先の国の法律・条令などにより輸送できない「禁制品」に注意する必要があります。禁制品は世界共通のものと、各国独自に定められているものがあるので、輸送準備前に送ることが可能なのか、日本郵便や佐川急便など利用する運送会社などに問い合わせておきましょう。
日本から他国へ食品や衣料品・サプリメントなどを発送する場合は、事前に申告が必要になる点は注意が必要です。
しっかりと事前に調査や手続きを行って発送することにより、商品の没収や返送を防ぎやすくなりますので、面倒でも事前確認は忘れずに!